風紀違反の罰金100万円は違法!!

 キャバクラ、デリヘルなど風俗営業店では、店内交際が禁止されているのが一般的のようです。キャバクラ嬢と男性スタッフ、デリヘル嬢と運転手が典型ですが、違反すると風紀違反とよばれ、罰金を要求されるトラブルが続出しています。

 この罰金は50万円、100万円といった高額なものが当たり前になっているようです。それでは、風紀違反の罰金は有効なのでしょうか。

 

念書、誓約書、契約書にあっても、風紀の罰金は無効

 キャバクラの女性やデリヘルの男性スタッフの相談で、

「入店するときに風紀違反は罰金50万円と書いてある念書か誓約書みたいなものにサインしてしまったから有効ではないですか?」

あるいは、

「契約書に風紀の罰金は100万円と書いてあるので、100万円の支払義務があるのではないですか?」

といった質問があります。しかし、罰金をあらかじめ予定することは、労働基準法で禁止されており無効とされます。(労働基準法第16条、13条)
 たとえば、入店時に、キャストとボーイが風紀違反(交際)をしたら罰金50万円という誓約書を書かされていたとしても、それは法律違反で無効ということです。



 

 ただ、一部、例外もあります。それは

 



1、妥当な減給処分の場合


2、労働契約ではなく業務委託契約の場合

 



です。

 

1、    妥当な減給処分の場合

 減給処分として妥当な内容であれば有効になる場合もあります。しかし、その場合でも無制限に減給していいわけではありません。減給の場合、就業規則に書いてある懲戒に当たる項目に違反した場合で、月給であれば10%まで、日給であれば50%以までしか減給することはできません。

 



 たとえば、月給20万円なら月2万円まで、日給制で1日の賃金が1万円なら半額の5000円までが減給の上限です。これを超える減給は理由にかかわらず違法です。(労働基準法91条)


 ちなみにキャバクラでは1分遅刻しただけでも5000円といった法外な罰金をとる店が多いようですが、これはさすがにやりすぎです。法律的には認められません。(こういう業界の場合、これくらい厳しくないと従業員を管理できないという声もありますが、法律的には無効です。)


 

 

2、労働契約ではなく業務委託契約の場合



 キャバクラのキャストやボーイは労働契約ですが、デリヘルのドライバーやキャストの場合、自由出勤でまったく拘束時間がなく、給料も完全な出来高制の場合があります。1件お客がはいったら、いくらもらえるという契約です。この場合は、労働契約ではなく業務委託契約になる可能性があります。そうすると労働基準法の対象ではなくなり、違約金の名目で罰金をとられてしまうことがあります。


 ただ、実際には自由出勤といっても12時から8時までいないといけないといったように拘束時間があったり店長の命令や指示には絶対に従わないといけないという店がほとんどですから、そういう場合は業務委託契約ではなく『労働契約』といってよいでしょう。

 

 

風紀違反の罰金で100万円をとられそうになったキャバクラ男性店員Aさん

 Aさんは、世間的にいうイケメンでバイト先のキャバクラ嬢にモテモテでした。そんなAさんがあるときからK子とメールアドレスを交換し(今ならLINEか)、何回か遊びにいったところ、店長にばれ、殴る蹴るの暴行を受けました。そして、風紀違反だから100万円罰金だと言われ、その場で、ATMで現金をおろしてくるよう言われ、店員二人に囲まれコンビニのATMであるだけの現金をおろさせられました。



 

 さて、Aさんの場合、殴られて怪我をしたことが、文字通り「けがの巧妙」となりました。

 Aさんは相談した結果、内容証明郵便で、風紀の罰金規程が労働基準法で禁止されていること、また店長の行為が恐喝罪なることを注記して退店することを店に伝えました。
 キャバクラの店長もさすがにまずいと思ったらしく、数日後にとられたお金は銀行口座に返金され、さらに未払いの給料も無事支払われました。

 



 キャバクラのような店は女性がいわば商品のようなところがありますから、ボーイがキャストに手をつけてはいけないというのは業界の不文律といってもいいかもしれません。店内恋愛で従業員同士の関係が悪くなったり店の子が辞めてしまったりすると、経営者も店の運営上困ります。


 しかし、従業員同士で遊びにいっただけで50万円や100万円を払えと迫ったり、殴ったり奴隷のように働かせたりするのは許されません。

 

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Q&A

示談書にサインさせれてしまいました!?

 示談書にサインさせられたとしても、労働契約で予定された罰金なら無効ですし、脅されて書かされたものであれば取り消しうることになります。(民法第96条1項)

 ただ、キャバクラ以外の委託契約の場合で、脅迫を証明できないという心配もあるでしょう。しかし、その場合でも、風紀違反で100万円という金額は高すぎますので、公序良俗違反(民法第90条)で無効になる可能性が高いです。

 

 いずれにしても、脅迫があればできるだけ録音しておくようにしたほうがいいでしょう。メールはバックアップしておくようにしましょう。

 もし示談書や合意書を書かされてしまったら、はやめに内容証明郵便で取り消しや無効を宣言して、暴力や脅迫があれば具体的に書いておくことをお勧めします。