デリヘルドライバーの罰金と辞め方

デリヘルドライバーによくある罰金問題とは?

 デリヘルのドライバーの罰金といえば、圧倒的に風紀違反が多い。送迎の途中、ドライバーがデリヘル嬢の愚痴を聞いているうちにお互い仲良くなり、連絡先を交換する。そうこうしているうちに肉体関係を持ち、それがどういうわけか店長にすぐばれるというお話だ。

 

 店はご多分に漏れず、風紀違反の罰金を設定しているので、高額な罰金(よくあるのは50万円か)を請求してくる。もしくは、罰金を給料から天引きするといわれ、ただ働きさせられ、なかなか辞められないという状況に陥る。


 ちなみに肉体関係を持たなくても、連絡先を交換しただけで風紀違反を問われ、罰金を請求されるケースも少なくない。

どうしてデリヘルドライバーと嬢は関係を持ってしまうのか?

 違反とわかりつつも、送迎の車で2人きりになれば、男としては下心をおさえるのは難しい。嬢のほうは、大変な客の仕事のあとストレスでいっぱい になると、誰かに愚痴を聞いてもらいたくなる。ドライバーも、自分が頼られているという気持ちになり、双方、だんだんあやしい雰囲気になる というしだい……。


 ところが、いざ、関係を持つと、嬢のほうはどういうわけか、ほかのスタッフにしゃべってしまう。よくあるのは、仲がいいと思っていたほかの嬢が店長にばらしてしまうというものだ。これならまだいいほうで、嬢自ら、店長にべらべらしゃべってしまうことも少なくない。ただのおしゃべりなのか、店長とできているのか、詳しいことはわからない。

 

罰金は有効か?

 店長にばれると、風紀違反だ!罰金払え!!ということになる。この業界のおきてのようなものだ。だから、風紀違反の罰金は店内規約になっているのが通例だが、これは法律上、有効なのだろうか?

  まず、社員であれば雇用契約ということになるので、この場合は労働基準法第16条で禁止されており、無効な店内規約ということになる。(同法13条)したがって、法律上は支払う義務はない。50万円を払えなどといわれても、労働者に何の法的拘束力はないというわけだ。誓約書、念書、契約書のたぐいがあっても同じだ。

 もっとも、懲戒処分としての減給ならありうる。ただしその場合は月給の10 パーセントまでしか減給することができない。(労働基準法 第91条)

 一方、アルバイトの場合はちょっと複雑だ。なぜなら、アルバイトの場合、委託契約で雇用契約じゃないと経営者が主張するかもしれないからだ。

 しかし、委託契約だと主張したとしても実際は主従関係があって、事実上、雇用契約である場合が 多い。そういう場合は労働基準法の規制の対象になる。また、委託契約であるとしても、ドライバーが辞めようとしたときに50万円を払わないと辞めさせない などと不当に拘束するすると風俗営業法違反になり(18条の2,31条の1)、営業停止などの処分理由になりかねない。

 

 仮に委託契約であれば、一定の損害賠償や違約金の法的な理屈はなりたつかもしれないが、脅迫や労働強制をすれば、店側が不利になることはいうまでもない。

 

脅迫されたらどうするか?

 風俗店には、ちょっとコワイ系のお兄さんがいて、軽く脅されてすんなり辞められないことがある。副業でやっている場合に、昼間の勤務先に連絡するぞなどと言われたら、言うことをきかざるをえなくなってしまう。そういう場合どうするか?

  基本的には、行政書士のような事務所から内容証明郵便で退店届けを出すのが安全だ。きわめて事務的に辞められるし、軽く風営法や労働基準法につ いて付記をしておけば、よほどクレージーな経営者や店長でないかぎり、それ以上はおいかけてこない。やりすぎて、警察に目をつけられ、営業停止などの行政 処分になったら店側としては元も子もないからだ。仮に業務委託契約書があったとしても、脅迫するような店はほとんどの場合、訴訟までやってこない。万一にそなえ、脅迫を録音するなどで証拠を保存したうえで、内容証明で退店を通知するのが一番無難な流れだと思う。

 



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